2022年から始まった、藤枝MYFC主催の外国人技能実習生のための『やいづ ふっとさる かっぷ』。(2022年はコチラ)
焼津市の製造業を中心とした企業には多くの外国人技能実習生が働いています。人材の確保が困難な今、外国人技能実習生のみなさんの力は必要不可欠です。
しかし、本来、技能実習制度は日本における加工技能などを習得する目的がありますが、昨今では本来の目的を無視した”労働力確保のための”雇用や不当な扱いが社会問題となっています。
彼らの慣れない日本での仕事や生活においてもまだまだ不安が多くあり、そのためには私たち地域や企業が一丸となって支えていく必要があると思います。そうした外国人技能実習生のために藤枝MYFCがシャレン!(社会連携)活動の一環として開催したのが、この「ふっとさるかっぷ」です。
◆『やいづ ふっとさるかっぷ』開催までの経緯とは
きっかけは、藤枝MYFC山福のパートナー企業でもある山福水産(株)の社長・見崎のこんな思いでした。「焼津は藤枝MYFCのホームタウンだし、サッカー好きな実習生のみんなに日本でもサッカーを楽しんでほしい。特にコロナ禍で外出などが困難なので、何か息抜きする機会をつくってあげたい。焼津に来たら、プロのサッカーチーム主催でのこんな楽しいイベントがあると、最終的には焼津への実習生誘致へのアピールにもつなげていきたいんだよね」
この思いに賛同した藤枝MYFCが、同年2022年に第1回目となる「やいづ ふっとさるかっぷ」を開催しました。
◆2023Jリーグシャレン!アウォーズで『パブリック賞』を受賞
Jリーグではチームと地域が連携して取り組むシャレン!活動を推奨しています。そして、2023年、この「やいづ ふっとさるかっぷ」が、2023シャレン!アウォーズにて「パブリック賞」を受賞しました。2023年10月28日(土)に藤枝MYFCホーム戦「焼津DAY」にて受賞セレモニーが行われたことで、広く知れ渡りました。
◆白熱しながらも笑顔溢れる大会に
第1回大会は焼津市内の企業のみが対象となり、5社計6チームが参加しました。実習生のみなさんは、大会までに自主練習したりと気合十分で、試合当日にはどのチームも白熱した試合が繰り広げられ、わたしたちも応援に熱が入ります。本当に皆さん当たり前のように上手で驚きました。
そして、第2回目となる今年の大会は、吉田町も巻き込んでの開催。シャレン!アウォーズでの受賞によって認知も広がり、賛同する企業も増えたそうです。大会名も「やいづ ふっとさる かっぷ」から「MYFC ふっとさるかっぷ」へ名称変更しました。
協賛はMYFCのホームタウンから焼津市、吉田町、川根本町が実際に大会に出場する企業だけでなく、お茶や記念品、賞品の提供などで多くの企業が協賛してくださったことで、大会がさらに充実したものとなりました。
焼津市からは、ゴミの分別や出し方などが母国語で書かれた資料を配布されており、実習生たちの日常生活における不安も和らぐような場になっていたことが印象的でした。
増える外国人実習生に対して生活指導員が不足するということも向き合わなくてはならない課題のひとつ。地域社会で助け合うことがいかに大切なことかよく考えさせられた取り組みです。
フットサル大会は、1つのチームとして日常とは違うコミュニケーションや新たな一面を発見できる、改めて互いを知るためのよい機会だと思います。
私も実際に大会に参加してみましたが、仕事では教わる立場の実習生の皆さんがサッカーを教える立場になったり、国境も立場も取り払って平等に楽しめたことが何よりも嬉しかったです。
違うチームに挨拶に行ってもみなさんが笑顔で受け入れてくれ、そこからプライベートにおける交流につながったりもしました。
職場以外で社会と関わる機会をもつことで、地域社会への居場所づくりや、彼ら自身も地域の一員であることを感じてもらい、安心して日本での生活を送れるようになればいいなと思っています。
◆企業間にとっても有意義な大会
また、この大会は実習生のみなさんだけでなく多様な企業が参加することから、普段接点を持つことのない企業同士の交流を促し、コラボレーションのきっかけにもなりそうです。そうなれば、この大会がさらに良いものになっていくと思いました。
開催へとご尽力くださった、藤枝MYFCの鈴木裕利(すずき ひろとし)さんは、「外国人技能実習生のみなさんがより日本で生活しやすくするための取り組みです。大会ではみなさんが本当に楽しんでくださったことが本当に嬉しいです」と語られました。
◆大会に参加して
2年目にして焼津以外の地域も巻き込む大きな大会となり、改めて外国人も多く暮らす私たちの地域社会にとって良い取り組みだと実感しました。ただ楽しい大会にするのではなく、この取り組みの本質を藤枝MYFCが親身になって考えて機会をつくってくださり、そこに企業や自治体、そして一緒に働く社員の人たちが協力し実現した大会です。今後も長く続けていけたら嬉しいです。
最新情報をお届けします
Twitter で山福水産株式会社をフォローしよう!
Follow @yaizu_yamafuku