冷凍かつお職人の「みるチカラ」
魚市場での仲買人編、ロインの職人編、そしてタタキの職人編に突入です。
ところでみなさん、かつおの”タタキ“って知っていますか?一般的な認識として、表面をこがね色に炙ったアレ!ですよね。恥ずかしながら私も10年間そう思っていました。
しかし調べてみたら、どうやら炙ったどうこうではなく、炙った後に塩やポン酢、薬味をタタき込む!ここに本来の”タタキ”の意味があるようです。(詳しくはこちらをご覧ください。出典:FOODIEさん)
さて、今回はその“タタキ”を作っている職人さんのお仕事に潜入&インタビューしてみました。
先に、かつおタタキが出来上がるまでのプロセスを簡単にお伝えしますと、
- 原料となるロイン製品がコンベアに並べられ、約1,300℃の火がメラメラとしている焼き機へとゆっくりと進んでいきます。
- 2分半表面を炙られ、香ばしい香りとともに真空室に出ていきます。
- 真空室に入ると、すぐに一本一本丁寧に検品され、炭焼の香りが消えないうちに、真空パックされていきます。アシの早いかつおはスピード勝負です。
- そして、塩化カルシウム槽に流れていき、じっくり30分かけて再凍結。
- 再凍結されたタタキ製品は自動計量機を使い効率よく均等に計量・梱包されます。
ざっと、このような流れで作られていきます。(下の動画でもご覧いただけます)
今回紹介する焼き・真空室でインタビューに応じてくれたのは、休日は娘たちのバレーボールの応援、友人や仕事仲間と出かけてストレス発散!な紗代さん、のんびり映画を見るのが好き♡な賀恵さん、休日は映画、冬はスノボで思いっきりアクティブにリフレッシュな景太さんの3人。
作業は同じでも、気づきや工夫は人それぞれ。仕事に対する思いを語っていただきました。
作業をする前と後、イメージに変化はありましたか?
―紗代さん:焼き上がり製品の検品を担当しています。思っていたより衛生面に厳しかったです。でもそれだけ品質に気を付けているということを実感しました。
―賀恵さん:真空室の全体的な作業を行っています。うまく作業をしている人を見ると簡単そうに見えたが、実際やってみると思っていたより難しかった。
―景太さん:焼き機の管理を担当しています。単純に機械で焼いて真空するだけ、と思っていましたが、その中にもいろいろと細かい作業があることを知りました。
実際に携わると目に見えなかったことが見えてくる、やってみなくちゃ苦労は分からないなあ、と他部署で働く職人たちへのリスペクトが芽生える瞬間でもあります。
担当している作業の中で自分なりのこだわりや工夫を教えてください。
―紗代さん:お客様が安心して食べられるよう、自分が消費者だったら、を常に考えて検品作業をしています。
―賀恵さん:作業台に細かな魚のカスが溜ることで、製品へ付着したり、さらにそれが床に落ちると不衛生なので、作業台を常にきれいに保っています。
―景太さん:加工する魚のサイズや形状が違うので、常にいい焼き方ができるよう、火の調整には注意をして作業をしています。
お客さまの立場に立ってモノづくりをする、同じ作業を繰り返しているとついつい忘れそうになってしまいますが、常に意識していることでお客さまからの信頼につながっていくんですね。
作業の中でやりがいや、楽しみ、また達成感を感じるところは?
―紗代さん:検品作業を溜めることなくスムーズにこなせたとき。製品の焼け具合など、消費者の立場で考え、部署のメンバーと話し合って協力し、改善や工夫ができたとき。
―賀恵さん:仕事をスムーズに終えたとき、達成感を感じます。
―景太さん:焼き機の準備等、魚を焼くまでにいろいろと大変な作業がある分、魚をうまく焼くことができたときに達成感を感じます。
ライン作業ならではのチームワークを大切にしたり、担当する仕事によって重きを置くことへの違いから、やりがいも多様です。
どんなに小さな作業でも手を抜かないことで結果、良い商品が出来上がる。当たり前ですが、しっかりと行うからこそより達成感を感じるようですね^^
それでは、大変なことはありますか?
―紗代さん:次品と骨残りや削り漏れのある製品がたくさんある時。検品と同時に、商品の規格内外(商品規格の範囲内の大小や厚さ)を加工の流れに合わせて瞬時に判断しなければならないことが大変です。
―賀恵さん:骨残りのチェックや、次品(不良品)かどうかの見極めが大変です。
―景太さん:先ほども言ったように魚のサイズや形状だけでなく、燃料も炭とガスがあるので加工切り替えの際、必要に応じて火力の調整をするのが大変です。また、焼き室(焼き機がある部屋)は暑いので、その中の作業が大変だと感じました。
最後に、お客さまへのメッセージを!
―紗代さん:私も、子どもたちも大好きなかつお!これからも、山福の商品なら安心できる。とお客さまに思っていただけるよう、毎日頑張っています。
―賀恵さん:いつもご注文いただき、ありがとうございます。これからも頑張ってつくっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
―景太さん:まだ、このポジションに携わり始めたばかりですが、これから良い商品をつくっていけるように努力していきたいと思います!
平均年齢30歳の比較的若い社員が活躍する、焼き室と真空室。日本の魚食文化が損なわれかけている昨今だからこそ、若い力で魚食文化を支えていけたら嬉しいですね。
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