冷凍かつお職人へのプロセスVol.4「第2回かつお勉強会~労働安全編~」

2024.05.03
第2回目のかつお勉強会は、作業中に潜む危険について。リーダーによる過去の事例報告なども交えた講習、みんなで意見を出し合い安全に仕事ができる環境づくりを目指します。

-60°で凍結されたかつおの加工には機械の力が欠かせません。
少しの油断が大きな事故につながってしまう機械作業ですが、基本の使い方やコツを押さえ、また危険な動作を心得ておけば安心して作業を行えます。
今回は、日々の作業を事故無く安全に行うために、リーダーによる労働安全講習会を行いました。

説明を聞く職人たち

◆事故・ケガのパターンを知る

水・魚かすで滑りやすい床、機械・障害物などで動きづらい場所、稼働中の機械、現場には事故のリスクが潜んでいます。
事前にチームメンバーに事前ヒアリングを行い、過去のケガやヒヤリハットな出来事をとりまとめ共有しました。多角からの目線での危険を覚えておくことがケガ防止につながると感じました。

危険個所や行動をおさらい

転倒事故の再現

◆機械の使い方をおさらい

今回は主に整形機について。整形機とは、かつおのロインを高速回転する刃に当て、骨や皮を除去し成形する工程「削り」に使用する機械です。まずは、機械の仕組みをイチから説明しました。改めて構造や仕組みを知ることで、危険がどこに潜んでいるかを理解できケガ防止になります。
また、かつおそのものも曲がっていたり、サイズの小さいものなどイレギュラーな場合は、より注意して作業を行うことを心がけることや、ロインの持ち方ひとつでも、教わった基本を守ることがケガ防止につながるとのことでした。
特に忙しい時、急いでいる時は基本が崩れやすいなど、過去のケガ事例から、工程ごとの危険個所、おまけでケガをしやすい人の特徴や場面を紹介しました。

機械の仕組みを説明

議事録担当の職人

◆けが防止に一役、金属手袋「メッシュ」

危険が伴う機械での作業。万が一に備え、手を保護するために整形機を使用する職人たちは必ず「メッシュ」と呼ばれる金属製の網手袋を着用します。
メッシュは毎朝作業開始前に、担当者が破損の有無と着用確認を行います。過去に破損を報告せずに壊れたまま使用したことでケガをした事例があったそうです。日々の使用で劣化や破損することもあるので、その場合は速やかに報告するようにと改めて周知をしました。

メッシュの説明

◆もしも事故やケガをしてしまったら

度合いに関わらず、まずは速やかに現場リーダーに報告を!
病院にかかる場合は労働災害の扱いになります。労災を隠すことは会社が罪に問われることになります。
事故発生時は気が動転してしまったり、「これぐらい大丈夫」、「言いづらい」、「怒られてしまうのでは」など考えがちですが、自分の為にも会社のためにも必ず報告を徹底することを説明しました。

事故の再現をする横馬課長

◆安全に仕事をするための七か条!

1.作業が溜まってしまっても、一人だけで頑張ろうとせずに、周りに頼ることも大切

2.忙しいとき、焦ったり余裕がなくなったときが怪我につながりやすい

3.無理なペースでの作業はしない

4.前後の工程とコミュニケーションを取り、問題を解決していく!

5.声掛けは最初の一歩が難しいが、一人がやればみんなやりやすくなっていく!

6.慣れや油断、焦りなど心の状況が怪我の原因になりうる


普段の作業では互いに声を掛け合い注意を促すことや、無理のある作業はやめて人に頼ること、
自分の担当以外の工程にも配慮した仕事の仕方などケガ防止には、自分の注意だけでなく周りとのコミュニケーションや気遣いが大切なようです。
この勉強会ではリーダーがユーモアを交えて説明をしたり、誰もが発言しやすい雰囲気の中行われ、チームワークの形成においても効果的な時間だと感じました。

真剣に聞く技能実習生たちと職人

 

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