お漬物は和食には欠かせない、日本の大切な食文化です。こめふくでご提供しているお漬物は焼津市の『ホソヅケ食品(有)』さんで作られています。
ホソヅケ食品有限会社は1962年創業。焼津の闇市(現在のさかなセンター)で漬物の製造と卸売りから始まりました。現在は二代目として、息子さんである細川英之さんと奥さまの詠子さんの二人三脚で事業を継承しています。
直売所と製造所は同じ建物にあり、入るとすぐに駄菓子が並んでいてどこか懐かしく子どもの頃よく行っていた駄菓子屋さんを思い出します。進んでいくと、ショーケースに様々なオリジナル商品がずらり!どれもおいしそう~!
◆伝統を大切にかわらぬおいしさを届けたい
こめふくでも提供している、「スーパー白菜」「きゅうりキムチ」の製造を見学させていただきました。野菜をカットしているところを覗くと、職人さんが手際よくカットし、横に置かれた白菜がみるみるうちに減っていきます。そして、カットされた白菜を洗浄し、調味液に一晩浸します。水温が下がる冬場は味の浸透が遅く、二晩かかるそう。
ホソヅケ食品さんのこだわりは、すべての工程において手作業で行っていることです。野菜を切る、洗う、漬物を切るー。冷たい水で手先が麻痺するほどの冬でも変わることはありません。
一方、夏場では原料となる白菜の輸送中や保管中に温度管理をきちんとしていても傷んでしまい、使える原料が減ってしまうこと、カットする際に一つ一つトリミングすることが大変だそうです。
しかし、技術が発展している昨今においても、変わらぬおいしさをお届けするために創業以来の伝統の製法を引き継いでいます。
◆時代に合わせた商品展開
漬物は日本の食文化として古くから伝わってきました。しかし、食文化の多様化や食品衛生法の改定により農家さんの漬物生産の事業撤退などで生産・消費量は減少しているようです。ホソヅケ食品も例外ではなく、漬物、金山寺など売れる量が減ってきているのが現実だそう。それでも、直売所に訪れるお客さまや取引先の営業さんから「今はこんなのが流行っているよ!」「もっと辛いのが食べたい!」などと、直接アドバイスをもらいながら時代に対して柔軟に対応し、開発や改良を進めています。
それもあり、地域の子どもたちもお母さんの買い物についてきては「これがいい!」と、自分好みのキムチや漬物を買っていってくれたり、子どもたちにも漬物をもっと身近に感じてもらえるようにもなりました。お客様の声を大切に、地元の老若男女に愛され続けているホソヅケ食品さんの愛される理由だと感じます。
◆港町焼津だからこその役割
ホソヅケ食品は約60年前、社長英之さんのご両親が創業しました。さかなセンターのはじまりでもある、焼津駅前の『闇市(闇市とは、早朝の暗い時間から売っていたのでそう呼ばれているそう。)』からスタートし、約20年間漬物を製造し卸売専門で主にかつお・まぐろの遠洋漁業船への積み込みをしていました。やはり古くから漁業基地として栄えている焼津ならではです。当時は、入港隻数も全盛期で1日2~3隻。なんと1隻あたり白菜漬けで50㎏、たくあんなら大樽で5樽、そして梅干しなどを積み込み、命がけの長い航海をする漁師さんたちの食を支えていました。
ところが今では、船そのものや日本人の船員さんが減ってしまったことで、積み込む量も落ちてしまったそう。
日本人船員さん不足は船だけではなく、このような形でも影響が出ていたんですね。
◆今後の展望について
詠子さん「これからは、もっと若い世代に漬物を食べてほしい。食の健康ブーム、食育など食について見直す流れがある中で、日本人の腸には漬物の乳酸菌が合っていることをもっと知ってほしいと思う。腸内環境が整うと、精神的にも安定したり、美肌・美白効果も期待されることを広く発信していきたい。日本古来の食事である「ごはん」「みそ汁」「漬物」「納豆」、こめふくの”おむすびセット”がまさに日本人にとっての完全食だと思うので、一緒に発信したりコラボしていけたら嬉しい。」とお話しくださいました。
新商品の「玉ねぎ君で酢!」も夏にぴったりで、酢と玉ねぎによる様々なうれしい効果が期待できるそう。
現代人の食事にも取り入れやすい味で、いつもの食事にちょこっと添えるだけで、おいしく手軽に健康維持できるのはいいですよね。
◆焼津で事業を行う細川さん夫妻にとっての焼津の魅力とは
英之さん「焼津から出たことがないから分からないな~。でも、ちょうど真ん中にあるからどこか行くにもアクセスがいいよね。海山川など自然も揃っていて、年間通して気候も安定しているし。」
詠子さん「それから、焼津の人は穏やかな人が多いと感じる。来るもの拒まず去る者追わずのように、外からの人が来ても広く受け入れてもらえる雰囲気があると思う。だから小泉八雲も焼津に居座ったんじゃないかな?」
英之さん「あと、釣りやサーフィンが趣味の人はいいよね。僕も昔はよく子供を連れて焼津港で豆アジを1日200匹とか釣ったよ。」
詠子さん「捌くのは私で、も~大変だった!」
お話ししている中でお2人の雰囲気が、会社そのものだなあと感じました。製造所に入る際に、従業員の方が快く受け入れ撮影に協力してくださったことや、作業中の皆さんの会話がとてもアットホームなことも、とても印象的でした。
また、お2人は夏休み期間に学童施設へ「出張駄菓子屋さん」として出向き、地域に根差す企業としての取り組みを行っていたり地域で長く愛されている理由は”おいしい漬物”だけではないようです。
◆ホソヅケ食品 有限会社
・住所:〒425-0026 静岡県焼津市焼津3丁目1-22
・TEL:054(628)5770
・公式Webサイト:https://www.yaidu-hosoduke.com/index.html
・公式Instagram:https://www.instagram.com/hosoduke/
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