「ファクハク」とは、静岡市の多様なモノづくり企業が一般向けに開放し、誰もが参加できる工場見学のイベント。静岡市は徳川家康の駿府城があることから城下町として、街中にはその名残ある企業、また港町の清水区などでは水産や残渣加工会社など、一口に”静岡市”といっても実に様々です。
詳しくはコチラ➡静岡市工場博覧会【ファクハク】
今年は、焼津でもファクハクにならった同様の工場見学イベント「すげぇら焼津」を開催したことを受け、参加してきました!
開催期間は、2024年10月17日~20日の4日間。参加企業数は31社で、今年は運営による有料の見学ツアーも組まれるなど内容もレベルアップ!すごいなあ~!
私は10/18、19の2日間で3社をめぐりました。
◆あのおっきな船の誕生地!三保造船所
まず、18日には清水区三保の埠頭にある「三保造船所」さん。会社説明の冒頭での「造船”じょ”ではなく”しょ”というところにこだわっています。」にハートをつかまれました。
ここでは、国内外の大型漁船を主に、官公庁船の建造やメンテナンスを行っています。
見学当時は機密情報を含む船を造船されていたので、撮影はNGでしたが、こんなところもちょっと見てはいけないところを見たようでドキドキ、現地でしか味わえない特別感は見学ならではですね!
見学スタート!船を造るには、船の全体をいくつかのブロックに分けます。一枚の大きな鉄板を切って部材を作り、その後部材同士を溶接しブロックごと仕上げ、最後に組み合わせて外側が完成します。とにかく設備が壮大で圧倒されました。
部材の型抜きでは、一寸の狂いも許されない精密さが求められるため、現在はコンピューターでプログラムして裁断しているそう。すごいのが、ここから先の鉄板を船の形に添って曲げる“プレス”加工や溶接が職人さんの手作業で行われていたこと。
過去に、三保造船所でつくられた大型旋網船の竣工式で船内の見学をしたことがあり、大迫力な船体の製造過程を知ることができひたすら感動しました。
◆キーワードは「マグ活で循環」肥料ツアー
19日は、勝手に循環肥料ツアーを組みました。1件目は当社の循環型農業の肥料でもお世話になっている「平金産業」さん。
今回お伺いした静岡工場では、静岡市内外から運ばれてくる鮪の残渣(頭や尻尾、骨や皮)を原料にフィッシュミールを製造しています。
フィッシュミールとは原料の鮪の残渣を煮てエキスを抜いた固形を乾燥させ粉にしたもので、魚粉や魚粕とも呼ばれており、飼料や肥料向けの原料となります。
原料の鮮度や質が良いものは、畜産や養殖の配合飼料として、そしてペット用の「ふりかけ」としても自社で販売されているようです。
また、近年では”鮪コラーゲン”や”DHAサプリメント”に力を入れ、大学と共同開発を行っているそう。
つまり、マグロはおいしいだけでなく、残渣においても発想次第でたくさんの可能性があり、100%有効利用できるのです。
そして私たちの生活にさまざまな形で循環していることをしっかりと体験できました。
平金さんの従業員さんの挨拶がとても気持ちよかったことも印象的でした。
ツアー二件目は、清水区の「伊豆川飼料」。昔からツナ缶製造が盛んな清水では、それに伴いマグロの残渣の発生量も多く、「もったいない!」から始まった事業だそう。ここでは、平金産業などのミール加工会社から運ばれてきた魚粉などの残渣加工品を原料に、こちらも畜産・養殖向けの飼料、農業用の肥料のOEMを行っています。
原料はマグロだけでなくタラの骨など様々で、それらを顧客の希望する成分の割合になるようブレンドします。ちなみに、マグロ残渣はたんぱく質の割合がとびぬけて高かったです。栄養の宝庫だ!
「お客さまと相談しながら細かな要望にも応え、小回りが利くことがうちの強みです!」と伊豆川さん。
最後に、伊豆川さんと言えば“マグ活”ですが、マグ活を始めた切実な理由を知ることができました。
ーマグ活とは?
静岡で水揚げされるマグロを食べたり、買ったりすることで消費につながる活動。
マグロについて勉強することもマグ活に含まれます。
伊豆川飼料さんはじめ静岡の企業SNS担当者の間で「#マグ活」が流行っている。 (株)LEAPH 茜さんより
焼津から私たち山福水産も#マグ活はじめました!
先述のとおり、清水港ではマグロの水揚げが盛んですが、貿易港としても長い歴史をもっており、ツナ缶の製造、輸出でも栄えていました。それにより、静岡県はツナ缶の生産量も日本国内のうち97%を占めています。ところが、昨今ツナ缶は海外製造の輸入品が多くを占め始め、危機的状況にあるようです。
ツナ缶の製造が減ることは、マグロ残渣も減ってしまう。地域産業の衰退や、これまでの地球にやさしい資源の循環が立ち行かなくなってしまうのです。それはまずい!と伊豆川さんはマグロの消費量を増やすため、“マグ活”を盛り上げているんです。みなさんも静岡県の産業を守るため、環境に優しい循環型社会を守るため“マグ活”しましょう!
今回3社をめぐり、自社事業への理解を深めることやオープンファクトリーの勉強などを目的に参加したのですが、事業そのものはさることながら案内してくださったみなさんが生き生きと楽しそうにお仕事しているところがとても印象的で、どんな人がどんなふうに働いているかって、会社にとってすごく大事なところだと気づかされました。来年はもっとたくさんの工場に行くぞ~!
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