体験型で伝えよう!“テクノロジー×地元の力”で焼津の海業を次世代へつなげる『YaizuUmi-Verse』

2025.05.15
“焼津の魅力を未来につなげる”―。回転寿司でおなじみのカツオやマグロって、みなさんが安心しておいしく食べるまでにどんな過程があるのか知っていますか?地元住民でも意外と知らないこの工程を、ゲーム感覚で楽しく体験できるイベントに事業者として参加しました!

2025年2月15日焼津PORTERSにて開催された「YaizuUmi-Verse」に当社も水産加工事業者として参加しました。

「YaizuUmi-Verse」とは、BigennersTech主催、学生を中心とした団体「サトヤマミライカイギ」主導で開催された“焼津の魅力を未来につなげる”をテーマとしたイベントです。
発起人の同団体で焼津PORTERS学生インターンとして活動する八木瞳(やぎ ひとみ)さんにお話を伺いました。

―このイベントを立ち上げたきっかけを教えてください。
焼津PORTERSをはじめ焼津で活動する中で、焼津には“水産業”という大きな産業があることが魅力だと感じました。しかし、子供たちや若者に焼津の魅力を聞くと「知らない、わからない」の答えが大半でとてもさみしく感じ、焼津の“海業”を未来につなげなくては!と思ったのがきっかけです。

イベント発起人の八木瞳(やぎ ひとみ)さん

―『Umi-Verse』というタイトルの由来とコンセプトは?
イベントを企画する中で、まずは私たちの生活に身近な“食”にフォーカスしました。
実際に体験してもらうことは難しいけど、ただ言葉で伝えて知ってもらうのではなく、BeginnersTechとサトヤマカイギメンバーの持つ知識や技術を生かし、メタバース空間やVRなどテクノロジーを活用した体験型で子どもたちに楽しんでもらいながら次世代に焼津の産業を伝えたいと、この取り組みを企画しました。もちろん、結果はすぐに出るものでなく、長期的に継続し浸透させていくのが大切だと思っています。そのために、焼津の海業にかかわる事業者さんに携わってもらうことでよりリアルに伝えることを目指しています。
今後は地域の学校などとの交流も図り、さらに多くの人に知ってもらえるよう活動していく予定です。

笑顔で迎え入れてくれる受付の二人

◆焼津の事業者×VRで体験することでよりリアルに

イベントでは親子をターゲットに、カツオが漁獲されてからみんなの口に入るまでの流れ『漁獲⇒加工⇒物流』ブースをスタンプラリー形式で体験すると、最後に『消費』として、めばちまぐろのお寿司が食べられる仕組みです。めばちまぐろは実際に当社で加工した製品を使っていただきました!
メインコンテンツでもあるメタバースとVRを活用した「かつお一本釣りVRゲーム」はBeginnersTechとサトヤマミライカイギのメンバーによってこのイベントのために制作されました。学生たちが自分のスキルや経験を活かし焼津のために働きかけてくれることがとても嬉しいですね。

まず受付をしてVR一本釣り模擬体験ゲームでかつおを漁獲します。VRゴーグルとコントローラーを装着し、目の前を泳いでくるカツオやマグロをタイミングよく釣り上げます!中には、ウニやお寿司なども。アイテムによって点数が変わり、合計スコアが出ます。最初は全くつれなかった稲葉も、コツをつかんだら次々に釣り上げていきます。

体験中の営業 稲葉

次に、わたしたち山福水産の出番です。VRで釣ったかつおを加工します。ここで活躍したのが「かつお解体くん」。実際の加工の動画と並行して参加者に模擬解体体験をしてもらいました。言葉や映像だけでは伝えることが難しいのですが、実際にかつおの体の構造や普段店頭に並んでいるかつおの節ができるまでを体験しながら勉強できるので、子どもたちはもちろん、大人も「あ!男節と女節って、そういうことなんだ!(男節=背側/女節=腹側)」「大トロの部位ってお腹だったんだ!」と感心してくれていた様子。

山福加工ブースー職人が普段の加工で着用している手袋(右は金属製の安全具)

かつお一本を一緒に解体していきます

ブースで体験でシールゲット!

そして、1Fフードコートのキッチンでは川直さんによる生かつおの解体ショーが!マグロはたびたび聞きますが、カツオは焼津ならではですね。鮮やかな包丁さばきにみんな釘付けです!同時に予約制でかつおの藁焼き体験も行われて会場には香ばしい香りが立ち込めていました。

川直山口さんによるかつお解体ショー

写真からも漂う香ばしさ…

子どもたちもハイテンション!

出来立てもっちり藁焼きかつおたたき

スタンプラリーが完成すると、ゴールではいよいよスタッフさんの握るまぐろ寿司を食べることができます。楽しく疑似体験しながら学ぶことでより理解してもらえたかなと思います。

“魚河岸シャツ”で焼津全開の寿司職人

自分で釣って加工して、ゴールのお寿司を受け取る参加者

◆興味がないけど “ ちょっと気になる ” きっかけづくり

「海業」は自らアクションを起こさずには知ることがない分野だと思います。ですが、「なんか楽しそうだから参加してみよう!」と誰もが気軽に楽しめる仕組みで、参加事業者にとっても楽しく勉強しあえるイベントでした。

子どもたちに伝える難しさを実感

参加者数が未知数でドキドキでしたが、想像以上であったことはもちろん、みなさんが熱心に興味をもって聞いて、体験してくださったことが嬉しいです。
市外からの参加者から「いつもふるさと納税で焼津市のかつおたたきを購入しています。かつおってこんな風に加工されるんだ!」と思いがけずかつおたたきファンに出会えたこと、子供たちはゲーム感覚で積極的に楽しんでくれました!

自分たちの事業について伝えようと思ったとき、私たち事業者だけでは生まれなかった発想で、学生さんの気持ちや柔軟な発想、推進力があったからこそだと思いますそこに焼津の事業者が加わり、立場を超えて同じ目線で作り上げていく素敵なイベントでした。

何よりも私たちにとって、普段工場で働く職人が工場を飛び出して、消費者である皆さんと直接会話ができ、疑問に思っていること、私たちが当たり前に知っている知識や情報も一般の方にとっては知る機会が少ないことが分かりました。
わたしたちの言葉で、焼津の冷凍かつおが実はとっても新鮮でおいしいことや、水産加工会社が焼津に多い理由、社会においての役割を伝え知ってもらえたことが大きな成果です。

お手伝いしてくれたこころちゃんと稲葉、増田

◆参加した社員の声

買付担当増田「私たちの普段の作業を見て知ってもらい、驚いている姿が嬉しく、説明にも熱が入りました。参加していただいた皆さんが、このイベントをきっかけに焼津ならではの産業に興味を持ち、水産加工品を手に取っていただけたら嬉しいです!」

営業担当稲葉「子どもたちのきらきらした目がまぶしかった!食に対して興味がある人が、熱心に聞いてくれていた印象です。食育の本質はこういったところにあるのかなと思います。焼津のカツオやマグロの消費促進のきっかけとなれば嬉しいです。」

 

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