焼津とこめふく「カネジュウ食品」~江戸時代から続く、駿河のお味噌” 相白味噌 “とは~

2024.07.08
こめふくの大御所おみそ汁の味噌をつくっているカネジュウ食品さんは、江戸時代からつづく老舗です。全国で唯一、駿河の地味噌「相白味噌」を生産している工場におじゃましました!

こめふくのコンセプトでもある”地産地消”。焼津には水産加工品の他にたくさんの特産品があることをご存知でしょうか?
今回はこめふくのメニュー『大御所おみそ汁』の主役、カネジュウ食品株式会社さんの「駿河の相白(あいじろ)味噌」について取材しました!

ご案内してくださったカネジュウ食品さん代表取締役社長 稲森律子さん

◆全国で唯一「相白味噌」を生産するカネジュウ食品の歴史

カネジュウ食品は、江戸時代中期の正徳元年より味噌や醤油の製造から始まり、300年以上続く老舗です。伝統の味を引き継ぎ、現在でも全国で唯一「相白味噌」を製造販売しています。相白味噌は塩分が控えめで食材の味を引き立ててくれるので、おみそ汁だけでなく、さばの味噌煮、味噌田楽、ねぎぬたなど様々なお料理によく合います。
稲森さんにアレンジをお伺いしました。「トマトとの相性も良くハンバーグのソースにも入れています。そして、おみそ汁なら断然かつお出汁!焼津の味噌×焼津のかつお節でぜひ飲んでください。インスタグラムでおみそ汁に合う具材も毎週月曜日に発信中です。」
ハンバーグのソースはびっくり!試してみます♬

また、現在中部地区で普及しているのは主に「信州味噌」だそうで、静岡にも昔から伝わる地味噌があることを知ってほしいとおっしゃっていました。

◆知っていましたか?お味噌のつくり方とこだわり

とても簡単に説明すると、茹でた大豆・お塩・米麹を丁寧に混ぜ、約2か月間麹の力で熟成させて完成です。シンプルですが、原料や下準備そして生きものである麹の質で味が変わってしまう、とても繊細な食品です。
相白味噌はほかのお味噌よりも麹を多く入れていることから、なめらかで麹の甘さが生きる優しい味わいです。また、大豆の皮を剥くことで苦みを抑え、熟成後さらに細かく濾すことで大変なめらかなことも特長です。
カネジュウ食品さんが長い歴史の中で長年積み上げてきた”良質な麹”でカネジュウさんにしかない味をお届けしています。
麹でつくった甘酒は麹の甘さだけで、お砂糖を使っていません。わたしも特別に出来たてをいただきましたが、びっくりするほど甘く、そして麹の香りでとても癒される味でした。お客さまからも「本当に砂糖を入れてないの!?」と聞かれるほどだそう。

お味噌工場の様子

麹菌が繁殖したお米 この状態でほんのり甘い

コンベアに流れる茹でたての大豆 いい香り~

大豆・麹・食塩を混ぜた状態 お味噌の原型

職人さんが丁寧に踏みならしたら重しを乗せ、熟成のスタート!

◆駿河の相白味噌とは

相白味噌のルーツは、戦国時代に京から駿河に移ってきた公家たちが、京風の白味噌が駿河の地でも造れないかと試行錯誤をくり返し「駿河の白味噌」の原型がつくられたところから。その後、京の白味噌と田舎味噌の中間の色と味わいを併せ持つ味噌という意味から「相白(あいじろ)味噌」と命名されました。
江戸時代には味噌づくりは全国に広まり、その土地の風土に合った「手前味噌」が数多く作られるようになったそうです。戦時中は、お米をふんだんに使用する相白味噌は贅沢品だとして一時製造を禁じられていたこともあったそう。

◆国産原料にこだわった相白味噌「大御所」でつくる「大御所おみそ汁」

こめふくの「大御所おみそ汁」の名前のひみつは、相白味噌でも国産原料にこだわったグレードの高い「大御所」を使用しているから。
お出汁はかつお節かけ放題でつかっているかつお節でとり、大御所味噌との相性ばっちり。出汁の香りと自然が生み出すお味噌のまあるい甘さが、心と体をほっとさせてくれるおみそ汁です。
お子さまも喜んで飲んでくれる、広い世代に好まれるおみそ汁だと思います。

◆カネジュウ食品のブランド『禅』とは

『禅』には「ものづくりの本質と向き合う」という想いが込められ、時代が変わる中でも変わらぬおいしさを常に追い求めています。
カネジュウ食品のすべての商品は、大豆や米・小麦・塩を原料に、創業以来共に歩んできた” 良質な麹 ”によってつくり出されたカネジュウ食品にしか出せない味わい。
麹づくり、味噌やあま酒の仕込みに欠かせない水は、南アルプスの伏流水・大井川の地下水を使用していることが、この地だからこそ出せる味の大事な要素となっているようです。

創業以来つくり上げてきた真っ白できれいな米麹

◆こめふくとのこれからへ何か展望はございますか?

ご飯にあうバラエティ豊かな商品があるので、こめふくさんのおいしいお米と一緒に食べてもらえるようなコラボメニューができたら嬉しいです。

お話を聞く中で、稲森さんや営業の井上さんの商品に対する愛がとても伝わってきました。こめふくオープン前からも商品開発にご一緒いただいたり、快くご協力していただきました。
カネジュウ食品さんにはお味噌や麴をもっとおいしく楽しめる目新しい商品もたくさんありますのでぜひWebサイト、直売所へ足を運んでみてはいかがでしょうか♪

 

🔳カネジュウ食品 株式会社
・住所(工場・直売所):〒421-0211 静岡県焼津市吉永7-1
・公式Webサイト:https://kanejyu.com/
・公式Instagram:https://www.instagram.com/kanejyu_miso/ (@kanejyu_miso)

 

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