よく聞く「初鰹」と「戻り鰹」 この違いって?

2019.11.12 (2022.05.11 更新)
知ってるようで意外と知らない?!「初鰹」「戻り鰹」の違い。同じ鰹でも、漁場・季節によって味わいが大きく変わるらしい。知って食べれば美味しさ倍増!

はじめまして!かつおの情報発信メディア「KATSUO LIFE HACK」ライターのあきのです。

焼津市の水産会社に勤めて7年。鰹のことを知っているつもりでいましたが、いざ情報発信をしようと思ったところ、全く知らなかったので勉強を始めました。
まず私が気になった「初鰹」と「戻り鰹」この2つの鰹、いったい何が違うのかを調べてみました。

■そもそも”鰹”とは…

鰹の生態を省いては説明できないので、まず初めに鰹とはいったいどんな生き物なのかを少しだけ紹介します。
鰹は暖かい海を好み、そして常に群れをなして動き回る回遊魚。冬から春にかけて北緯10~30°のところで産卵します。北赤道海流の勢力が強まる春から初夏に、育ち盛りの子供たちが南方からやってきた黒潮(日本海流)にのり、餌の集まる親潮(千島海流)と黒潮がぶつかる日本近海(三陸沖)に向け、北上していきます。

この時期に漁獲され千葉や東北の漁港にて生鮮水揚げされる鰹を「初鰹(はつがつお)と呼びます。そして日本近海で餌をパクパク食べておなかいっぱい、まるまる太った鰹たちは秋ごろにまた南の暖かい海に戻っていきます。こちらが「戻り鰹」と呼ばれます。
おそらく聞き慣れない言葉が出てイメージしにくいと思うので、下図を参考にしてみてください。

■ ”初鰹” と ”戻り鰹” 食べてみるとこんな違いが!

これらは漁獲シーズンが違う、という事だけではないんです。それは食べてみてびっくり!

  • 初鰹

初鰹は育ち盛り、身は透明感のある赤身でさっぱりとした味わいです。お刺身よりは表面を炙った「たたき」として食べることをおすすめします。ポン酢はもちろん、塩とゴマ油を混ぜたタレで食べてもおいしいです♪
江戸時代では初物が素晴らしいとされる風潮から、歌に登場するほどに重宝されたようですね。

炭火焼の香ばしい香りが食欲をそそります

  • 戻り鰹

戻り鰹は餌をたくさん食べて栄養を摂ってまるまる太り、脂がのっている個体も多いです。
それにより身の色も深みのある赤で味も濃く、もちっとした食感。中には脂がよくのった、鮪にも負けず劣らずな「とろ鰹」と呼ばれるものもあります。水揚げ量のうちわずか20%ほどの割合。とろけるような脂の食感が鰹とは思えないほどで、一度食べたらやみつきです。これは断然お刺身で、定番のワサビやおろししょうがはもちろんですが、パンチの効いたおろしにんにくと一緒に食べるのがおすすめです!

脂と赤身のグラデーションがきれいです

いかがでしたか?かつおは漁獲季節が違うだけでこんなにも味に変化があるんです。
※初鰹と戻り鰹はあくまでその季節に生鮮水揚げされる、旬の食材としての通称なので、全ての鰹がその二種類に分類されるわけではありません。
季節の食事を楽しむための会話のネタに、ぜひ頭の片隅にそっと置いておいていただけたら嬉しいです^^

◆最後に…
みなさんは、鰹を食べきれずに残してしまったことはありませんか?広い海を泳ぎまわり、栄養たっぷりの鰹はぜひ最後までおいしく食べてほしいのです。
鰹というとどうしても、紹介した通りたたきやお刺身で食べるイメージがありますが、時間が経ってしまった鰹は変色や独特のにおいも出てきてしまいます。しかし、火を通したりひと手間加えるだけで、またまたおいしい鰹料理へと生まれ変わります♪
生の鰹が苦手な方にもオススメです。

そんな鰹を使ったおいしい、しかも簡単♪なレシピ集もご紹介しておりますので、ぜひこちらからご覧ください^^

香ばしいかつおたたきをアレンジ♪かつおキーマカレー

 

 

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