2021年になり、昨年末に操業をしていた船が焼津にて水揚げを行いました。
かつおの歴史的大不漁から約1年が経ち、昨年末には少し回復傾向となっていましたが、果たして今年はどうなのでしょうか。
それでは、1月2月の水揚げ量と相場、操業状況をお伝えします。
2021年1・2月水揚げ結果
1月は水揚隻数9隻(内1隻は焼津水産高校の実習船)で、平均水揚げ数量は約270トン/隻。昨年末に続き、7㎏上サイズが主体となりました。2020年12月には全体の61%、1月には4.5㎏上も増えてきましたが、7上が全体の約70%を占めており、あまり変化はありませんでした。
2月には4.5上が全体の64%。2.5㎏上がほとんどありませんが、全体的な水揚げ量としては1,2月とも昨年の倍以上で、不漁の始まる前の2019年の結果に近づいてきたと見られます。1月から各船ドック入り(船のメンテナンス)により、操業隻数がへることから水揚げ量も落ちてきます。
また、ニュージーランド沖で操業していた2隻の水揚げも行われました。1.5㎏上サイズが主体となり、数量は合計730トン(1.5㎏上438トン、2.5㎏上38トン、ビンチョウまぐろ10㎏上187トン、7㎏上15トン)でした。
相場
年\サイズ | 7上 | 4.5上 | 2.5上 | 1.5上 |
2019月1月 | @250 | @239 | @228 | @195 |
2020年1月 | @345 | @317 | @270 | @197 |
2021年1月 | @230-205 | @260-225 | @310-290 | @250-280 |
年\サイズ | 7上 | 4.5上 | 2.5上 | 1.5上 |
2019年2月 | @232 | @226 | @229 | @204 |
2020年2月 | @382 | @372 | @358 | @250 |
2021年2月 | @220-247 | @225-241 | @300-335 | – |
操業と漁獲
1月の操業隻数は15隻(内2隻はニュージーランド沖で操業)、操業域に大きな動きはなく、サイズは7㎏上、4.5㎏上が主体、下旬になり少しずつ2.5㎏上も獲れてきたようです。一日平均約220トン、航海日数は40日(最短18日)と平均的な航海日数となっています。
2月は12隻の操業(NZ沖なし)、サイズは4.5上、2.5上が主体、一日平均約164トン、航海日数は30~40日程。ようやく2.5上が獲れ始め、来月の水揚げ結果が少し楽しみになってきました!
昨年から海面水温の上昇などで、話題に上がっていたラニーニャ現象は収束に向かっていると見られていますが、温暖化などの影響で海面水温は上昇したままのようです。
また、先ほどもお伝えしたように毎年1~3月はドック入り(船のメンテナンス)の時期となっており、操業隻数が減ります。
今後の予測
3月には船がドック明けとなり、引き続き南方へと出港しますが、5月頃には生鮮中型船の動きを見ながら、日本近海での漁に切り替わるので、それまでに南方のかつおを多く漁獲できることを願っております。と、見崎専務。
しかし、海洋状況(海水温の上昇など)から、かつおの生息域も変化しており、前年以前のデータからの予測がほとんど立たないようです。
初夏に旬を迎える初鰹ですが、中型船もまだ日本近海(本来初鰹にあたるかつおが獲れる漁場)での操業は始まっておりませんが、例年通り4~5月あたりには操業が始まると見られています。
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