2021年1・2月 冷凍一本釣りかつお大型船水揚量と操業状況

2021.03.26
2021年がスタート。今年のかつお一本釣り漁について見崎専務に聞いてみました!

2021年になり、昨年末に操業をしていた船が焼津にて水揚げを行いました。
かつおの歴史的大不漁から約1年が経ち、昨年末には少し回復傾向となっていましたが、果たして今年はどうなのでしょうか。

それでは、1月2月の水揚げ量と相場、操業状況をお伝えします。

2021年1・2月水揚げ結果

1月は水揚隻数9隻(内1隻は焼津水産高校の実習船)で、平均水揚げ数量は約270トン/隻。昨年末に続き、7㎏上サイズが主体となりました。2020年12月には全体の61%、1月には4.5㎏上も増えてきましたが、7上が全体の約70%を占めており、あまり変化はありませんでした。

2月には4.5上が全体の64%。2.5㎏上がほとんどありませんが、全体的な水揚げ量としては1,2月とも昨年の倍以上で、不漁の始まる前の2019年の結果に近づいてきたと見られます。1月から各船ドック入り(船のメンテナンス)により、操業隻数がへることから水揚げ量も落ちてきます。

また、ニュージーランド沖で操業していた2隻の水揚げも行われました。1.5㎏上サイズが主体となり、数量は合計730トン(1.5㎏上438トン、2.5㎏上38トン、ビンチョウまぐろ10㎏上187トン、7㎏上15トン)でした。

相場
\サイズ 7 4.5 2.5 1.5
2019月1月 @250 @239 @228 @195
2020年1月 @345 @317 @270 @197
2021年1月 @230-205 @260-225 @310-290 @250-280

 

年\サイズ 7 4.5 2.5 1.5
2019年2月 @232 @226 @229 @204
2020年2月 @382 @372 @358 @250
2021年2月 @220-247 @225-241 @300-335

 

操業と漁獲

1月の操業隻数は15隻(内2隻はニュージーランド沖で操業)、操業域に大きな動きはなく、サイズは7㎏上、4.5㎏上が主体、下旬になり少しずつ2.5㎏上も獲れてきたようです。一日平均約220トン、航海日数は40日(最短18日)と平均的な航海日数となっています。
2月は12隻の操業(NZ沖なし)、サイズは4.5上、2.5上が主体、一日平均約164トン、航海日数は30~40日程。ようやく2.5上が獲れ始め、来月の水揚げ結果が少し楽しみになってきました!

昨年から海面水温の上昇などで、話題に上がっていたラニーニャ現象は収束に向かっていると見られていますが、温暖化などの影響で海面水温は上昇したままのようです。
また、先ほどもお伝えしたように毎年1~3月はドック入り(船のメンテナンス)の時期となっており、操業隻数が減ります。

今後の予測

3月には船がドック明けとなり、引き続き南方へと出港しますが、5月頃には生鮮中型船の動きを見ながら、日本近海での漁に切り替わるので、それまでに南方のかつおを多く漁獲できることを願っております。と、見崎専務。

しかし、海洋状況(海水温の上昇など)から、かつおの生息域も変化しており、前年以前のデータからの予測がほとんど立たないようです。

初夏に旬を迎える初鰹ですが、中型船もまだ日本近海(本来初鰹にあたるかつおが獲れる漁場)での操業は始まっておりませんが、例年通り4~5月あたりには操業が始まると見られています。
初鰹とは→よく聞く「初鰹」と「戻り鰹」 この違いって?

バックナンバーはこちらから

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter で山福水産株式会社をフォローしよう!