冷凍かつお職人の「みる力」Vol.1 市場・仲買人編

2020.01.23 (2020.02.06 更新)
創業より47年、一番歴史の長い部署である買付部。代々引き継いだ仲買人の「みる力」。受け継いだベースは変わらず、時代に合わせて見方を変えています。

冷凍かつお水揚げ日本一の静岡県焼津市。

そんな港町ですから数多くの水産会社や問屋が所在しています。
中でも、今年で創業47年になる山福水産㈱の冷凍かつおの職人を取材しました。

山福水産はかつおの仲買人として創業。
市場での鰹鮪を「みる力」は現在にも引き継がれています。
現在山福水産で活躍している社歴20年、仲買人歴19年の増田さん。
早朝の市場へ行き、山福水産の仲買人としてのお話を伺いました。

まず初めに仲買人とはどんな仕事なのでしょうか。

かつおの品質を吟味し、自社の基準を満たしたかつおのみを仕入れる。
私たち水産会社にとっては、品質のベースとなるところであり、
「みる力」が必要とされる、とても重要な役割を果たしています。

増田竹典さん(左)と 営業担当の木田陽介さん(右)

朝7時、焼津漁港新港に入港した冷凍かつお船のセリが始まります。
まずは、漁獲してきた魚を検品するためのサンプル出し。これより評価します。
コンベアを流れてくる冷凍鰹鮪を見る仲買人たちの眼差しは真剣そのもの。
サンプルを見終えた仲買人たちは、次に番台へと移動します。
いよいよ焼津魚市場のセリ人によるセリのスタートです。
下の動画が実際のセリの様子です。

何を言っているのか、わかりますか?
「(イ~ヨロロロロ~~~~)イヨ~ハルロ~ハルロ~」と言っているのですが、
「(値が)張るよ~張るよ~」からきているとのこと。

セリ風景

そしてセリが始まると仲買人たちは勢いよく希望の値段を叫びます。
山福だけでなく、どの会社もお客様に良質なかつおをお届けしたいのは同じです。
そんな強い気持ちの込められたセリ場には感じたことのない緊張感が漂っていました。

セリも終わり、水揚げがスタートしました。
仲買人たちは荷捌きへ移動し、コンベアを流れてくる鰹の選別を始めます。
魚種はもちろん、サイズや形も分けます。冷凍状態のため、表面は白く素人目にはどれも同じに見えます。
これを瞬時に判別するのはまさに職人技。

船から流れてきたかつお・まぐろ

コンベアを流れるかつお・まぐろ。ここから選別します。

選別についてインタビューをしました。

〇魚種はどこで判別するのか。

かつおは、やっぱり縦縞一番見分けやすい特徴だね。
 かつお以外は魚の体の丸み、目の大きさ、ヒレの位置、色。この体が短く丸っこいのがダルマ(バチ鮪の子供)だよ。

〇では、サイズは?

―かつおは、1.5(kg)上、2.5(kg)上、4.5(kg)上、7(kg)上とサイズ分けしていきます。
これは、経験を積めば大体は感覚でできるようにはなるけど、やはり不安なものは計量するよ。
サイズによって値段が変わってくるから、ここは正確に。

〇かつおの良し悪しはどこで見るのか。

―鮮度を見るなら一本釣りは口が開いているもの。あとは、生きたままの急速冷凍だから曲がったまま凍ってしまった個体や、
他の生き物から攻撃されて傷のあるものは評価が落ちてしまう。あとは、出刃を使って身の色、凍結状態や脂の有無を見たり。
脂は完全には凍らないから、出刃が刺さるということは脂がある証拠、ないものは全く刺さらないよ。
これも経験を積んで自分なりの基準が作られていくものなんだよね。

このように口が開いているのが鮮度がいい証拠

出刃を使って魚を選別する様子

そう話しながらも一本一本逃さず選別していく。普段見ることのできない職人の顔でした。
かつおの選別には、これ!といった明確な判断基準や正解がなく、会社、仲買人の経験により、一人ひとり違ってきます。
それがまた、かつおの良さをそれぞれ活かせる理由なんだと感じました。

いつも優しく、山福一の力持ちでもあり、20年という社歴からほとんどの部署の仕事をこなすことができる増田さん。
しかし市場での仕事風景は普段目にすることができません。

そんな市場で仲買人としてのやりがいを教えてもらいました。
―品質のいいかつおを希望の値段で競り落とすことができたとき!とても気持ちがいいです。
自分が選別したかつおを「おいしい!」と評価されたとき、とても自信がつきます。
かつおの買付・仕入れから加工・販売までを全て追って見届けることができるのが嬉しい。
市場は水産業界の情報源、業界の情報をいち早くキャッチできるのもすごく助かる。
そして、仲買人の仕事は奥が深く、日々勉強になります。毎日変化がある、それもまた大変ですが、楽しみでもあります。

お話を聞いているうちに増田さんの仕事とかつおへの愛情がよく伝わってきました。
かつお職人第一弾、市場での仕事は受け継いできたものに自分の経験をプラスする、毎日の積み重ねが大事な仕事でした。

次号では、増田さんに聞いた、今年のかつお漁の状況をお伝えします。

 

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