6月で止まっていた水揚げ結果と予測シリーズ。大変お待たせいたしました。
さて、7月は予想以上に梅雨が長引き、待望の梅雨明けは結局8月頭となりましたね。
前号では梅雨明けのかつお浮上に期待していると予測を立てましたが、結局変化は見られず、でした。
水揚げ量としては6月末に少しずつ復活してきた、かつお漁の分が含まれているので、今年の中ではかろうじて良い結果となっております。(以下資料をご参照ください)
操業について
続いて、7月から8月にかけての操業の様子をお伝えします。
6月に好調であったビンチョウまぐろ狙いの漁は7月にはなくなり、かつおに切り替わりました。しかし、例年とは違う海の様子に予測が立てられず、かつおの群れを追いかけ、動き回った結果、操業期間が長くなり、エサや燃料の補給状況からほとんどの船が満船とならずに入港しました。
この日本近海・東沖における不漁の要因としては、海水温の高さではないかと言われています。というのも、例年の同時期に比べると漁場付近の水温は2~3℃高くなっており、さらに海水の1℃は気温にすると約10℃に匹敵すると言われています。そうすると、かつおに限らず海洋生物たちが適水温を求め移動したことも十分に考えられますね。
よって例年通り操業しても魚群が見つからないことで苦戦しているようです。
そして不漁が続き東沖漁場での操業に見込みがなくなってきたことで、増田さんの予想が当たり、3,4隻が一時的に南下し中南の太平洋にて操業しました。しかし、南方漁場でも思うように漁が行えず、合計116トンほどとなり、再び北上しています。
9月現在でも1隻あたりの水揚げ数量は60~160トン、良いときで200トンと満船には遠く厳しい漁獲状況が続いています。
漁獲サイズと相場について
サイズとしても、先の資料から昨年のように7,8,9月とも本来獲れるはずの、小サイズ1.5~2.5㎏上が獲れず、なぜか南方域にいる4.5㎏上、7㎏上の大、特大サイズが主体となりました。
よって相場も水揚数量が伸びず品薄高騰が続いたままで、ほとんどのサイズにおいて昨年と比べ倍近く(2019年1.8㎏上、2.5㎏上で約@180~250/k 2020年同サイズで約@360~450/k)となっております。
9月後半以降の予測
今年の東沖漁場における漁獲は回復が見込めず早期終了になると思われます。また、例年9月頃漁場へ集中する台風が発生しない、または直撃しないことで、海洋状況に変化がないことも一つの要因と言われているそうです。
私たちの生活も含め、あらゆる面で例年通りとならない今年は、今までの当たり前がそうでなくなるという不便さや、こうして勉強してみると自然を相手とした第一次産業は自分たちの力ではどうにもできないことが本当に多いのだなと痛感しております。
そこには地球環境問題が関わっていることも確かなので、できることから少しずつ貢献出来たらと記事を書いていて改めて感じました。
過去の記事はこちらから2020年1月・2月・3月・4月・5月・6月・9月・10月
最新情報をお届けします
Twitter で山福水産株式会社をフォローしよう!
Follow @yaizu_yamafuku