歴史的大不漁となっている、今年の一本釣りかつお漁。
メーカー各社、かつおの確保に奔走しています。季節も気づけば秋になり、近海・東沖でも引き続き不漁は続いていますが、戻り鰹のシーズンが到来しました。
例年でしたら、私たちの住む焼津市でも戻り鰹にちなんだイベントが開催されるのですが、今年はコロナウィルスの影響でこちらも大々的に盛り上げることもできなさそうですね。個人的にかつおを提供しているお店をめぐるのも楽しいかもしれませんね^^
さて、9月のかつお漁獲・水揚げ情報です。
9月の水揚げ量
8月から引き続き、また数字は伸びず停滞しています。サイズも変わらず大・特大(4.5~7㎏上)となり、この時期日本近海・東沖で漁獲され、需要の高い『戻り鰹』と言われる小(1.5~2kg上)はほとんど獲れていません。
私も水産会社に勤め9年ですが、「一本釣り東沖鰹4.5上、7上」という名称を目にしたのは今年が初めてというほどに特異な漁獲模様となっております。
8月より一部の船が南下し、9月後半からは本格的に南方漁が始まったようです。しかし、昨年2019年は8,9月にはまだすべての船が日本近海・東沖での漁をしていたこともあり、昨年2019年との比較が難しいです。
また、東沖と南方の漁獲量を合わせても昨年の半分以下にとどまりました。
水揚隻数は13隻、いずれも1隻あたり150~200トン、最大で340トンとなりました。
9月の相場
相場は相変わらず、昨年2019年の2倍以上となっております。
サイズ別では下記のとおりです。
年 | サイズ別単価 | |
1.5~2.5上 | 4.5~7上 | |
2019年 | @110~235/k | 漁獲なし |
2020年 | @400~500/k | @400/k |
秋に需要が高まる戻り鰹にあたる1.5~2.5㎏はやはり高騰を続け、例年では漁獲のない4.5㎏以上の大サイズも不安定な今年の漁から先を見越した原料確保のため需要が高く、それに伴い相場も高騰しました。
余談ですが、通常日本近海・東沖で漁獲された鰹は脂がよく乗っています。今年の東沖の海水温が高いこと、サイズが大きいことから脂ののりが悪く、少し評価が落ちてしまうとのことでした。
(サイズが大きいと脂のりが悪いとされる理由は、大きければ体力もあり、寒い海でも体に脂をためなくてもだからと言われています。)
操業状況
9月の操業状況ですが、台風も起きず海洋状況も変化がないため、9月下旬には東沖の漁を切り上げ、100トン未満での入港。仕切り直しで、南方漁へと向かいました。10月には完全に南方漁へと切り替わると予測されます。
鰹が好む19~20℃域の日本東沖沿岸付近で操業する中型船の漁獲は、少~極小サイズが主体となり、一方海水温が27~30℃域である沖で操業した大型船では、それに伴いサイズは大、特大となりました。
先述の通り、海水温は漁獲サイズに大きく影響していると言えそうです。
過去のデータは下記月ごとのリンクよりご覧いただけます。
2020年1月・2月・3月・4月・5月・6月・7月・8月・10月・11月・12月
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