2020年5月かつおとビンチョウ冷凍・生鮮一本釣り船水揚げ結果と予想

2020.06.16
目まぐるしく変わる今年は、記録的なビンチョウまぐろ好漁の年です!5月の水揚げ結果と今後の予想をお伝えします。

まずは冷凍かつおの水揚げ量をお伝えします。
今回も買付仕入れ担当の増田さんに伺いました。

前号でお伝えした通り、中型船、大型船共に例年より早い4月にスタートした日本近海・東沖の漁ではビンチョウまぐろを主体とし、南方では大型かつお主体の漁となりました。水揚げ数量は下図のとおりです。

大型船も例年より早い4月に近海での操業が始まったことや、1月より続いている不漁により、5月の南方かつお水揚げ量は昨年の50%となりました。大型船は日本近海で効率の良いビンチョウ漁をしているため、日本近海でのかつおの漁獲はありませんでした。
ビンチョウまぐろは記録的な漁獲量となっており、5月の水揚げ時点で昨年2019年の近海・東沖の年間累計の130%増となっています。

5月の大型冷凍一本釣り船の操業

※一本釣り冷凍漁獲海域の区分について、以下の通り2020年より各海域の範囲が変わりました。(下図参照)

・近海漁場:東経125°~140°/南緯25°~35°

・東沖漁場:東経140°以東(2019年までは東経155°以東)/南緯30°以北

・南方漁場:近海・東沖範囲以南を指します

4月に中型船が三重県沖から漁をスタートさせ、大型船も混ざっての操業となり黒潮の流れに乗ったビンチョウは、5月には千葉県沖にまで北上し、上図のように本土に近いところで漁場が形成されたため、効率よくビンチョウ操業ができたそうです。
それは操業日数にも現れており、例年ですと漁場が見つからないなど平均して1か月ほどかかる航海もありますが、今年は先の理由から操業期間は平均して10日で満船(約350t)となり、焼津港へと入港しています。その分大型船の一本釣り漁師の方々は、短期間で多く釣り上げるので、1回のなぶらで2時間通しで釣り続けるときもあり、相当の体力が必要になったそうです。今期の近海・東沖漁のピークは5月下旬から6月初めと見られています。
5月末には海流は三陸沖を東に折れ、それとともに漁場も東へと動いています。

5月末焼津港に入港した 大型冷凍一本釣り船第11旭丸

中型船は、日を追うごとに大・中サイズのビンチョウ漁獲数量が伸び、第一週には1隻あたり1日平均約10t、2週目には約15t、3週目は約18t、4週目には約23tとなりました。
大型船は、図にある通り東沖漁場にてこちらも中・大サイズのビンチョウを主体とした操業となり、2週目に全船合計における一日平均約270t、4週目には約490tとこちらも伸びています。
かつおは依然として漁獲・在庫不足が続いているため、生鮮・冷凍ともに相場も高騰が続くと思われます。旬のかつおを扱うメーカーにとっては各地の生鮮水揚げ・漁船の動き・日々の天気図などから目が離せない状況にあり、仕入れもかなり慎重に行われているようです。

6月の水揚げ予測

6月12日時点で、5月下旬にビンチョウ漁に出港した11隻が焼津漁港に入港し、計3,000tもの水揚げを行いました。今後も約12隻が順次入港予定で、6月は約4,000t前後の水揚げになると見込まれております。大型船は100%ビンチョウまぐろ操業を行っているため、かつおはまとまった数字が出ておりません。

かつおに関して、今年はかなり厳しい年になりそうですが、ビンチョウまぐろが例年の倍以上に漁獲数量が伸びてきているのは嬉しいニュースですね。6月に入り、ビンチョウの漁獲ピークが過ぎたころ、夏に向けてかつお漁へと切り替わる船が出てくることに期待します。

過去の記事はこちらより→2020年1月2月3月4月

 

 

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